京都市の西陣地区を事例として

しかし近年では,行政(公的部門)
によるインナーシティの再開発は,民間資本による住宅改良とほぼ同様のプロ
セスをたどっており,ジェントリフィケーションは開発主体にとらわれず,現
象面から定義されている(Johnston;1994)。

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この格上げ現象についてショート(Short;1978)は,従来の「侵入と漸移
モデル」では住宅の老朽化にともない居住者の質的低下がみられるが,住宅の
改修,更新により侵入と漸移の方向が逆転し,社会経済的に高い若年世帯の流
入により生ずる地域の格上げ現象とした。しかしながら,このような格上げ現
象は,公的機関による再開発やスラム・クリアランスでは前住者を優先して再
開発地域に居住させるため顕著ではない(FordandSmith;1981)。

わが国では山口(1980),小森(1978),成田(1978b,1981a,1987),マ
メン(1992)などにより欧米の諸都市におけるジェントリフィケーションにつ
いて紹介がなされている。山口(1980;1984)はゲール(Gale;1979)によ
るワシントンの研究,キブリュースキー(Cybriewsky;1978)によるフィラ
デルフィアの研究などの成果を紹介し,ベリー(1980)によるインナーシティ
問題の展望からアメリカ合衆国におけるジェントリフィケーションについて
「世帯数の増加にもかかわらず,それに見合う住宅供給が円滑に行われなかっ
たために生じた現象」であるとした。

わが国の都市研究では,藤塚(1990)が京都市都心部の人口変化や建物更新
の状況を調べ,続いて藤塚(1992)は京都市の西陣地区を事例として新規に建
設されたマンション居住者の社会的属性が在来住民と異なり,多数の専門技術
職従事者の存在からジェントリフィケーションの徴候を提示した。

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