都市への人口回帰現象

新中間階層をはじめとしたジェントリファイアーに
とって,建造環境を再構築することは労働者階級の象徴である景観を刷新する
ことにつながり(Mills;1991),「彼らにとっては,住宅を所有することより
も,どのように見られるかという点においてスタイリッシュであることが重要
である」,(藤塚;1994)。このようなジェントリファイアーの居住空間選好やイ
ンナーシティにおける生活様式,社会的・文化活動などの魅力に重点をおいた
研究にはホッジ(Hodge;1981),スミス(Smith;1987b),ハムネット(Ham
nett;1991)マクドウェル(1997)などがあげられる。また,ネルソン
(Nelson;1988)は経済学の立場から,ジェントリフィケーションを都市内人
口移動との関係から捉えようとし,都市内部への居住空間選好について検討し
た。

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また,ブリッジ(Bridge;1994)はジェントリフィケーションの見方と
して,居住地と住居の関係と同様に職業と就業地の関係も分析する必要を主張
している。

ジェントリフィケーションについて従来の数多くの研究では,その功罪の両
側面が指摘されている。「功」の側面では,都心地域の衰退に対する再活性化
策としての評価であり,もうひとつの「罪」の側面では,当現象がもたらす立
ち退き(強制移住的,displacement)の問題である。前者については,ジェ
ントリフィケーションが必ずしも地域再活性化に結びついていないとの批判も
ある(Lang;1986)が,都市への人口回帰現象として都市居住の再評価
(Gale;1979,VanWeesep;1994)につながる点において積極的にプラスの
評価がされる。藤塚(1994)は公共ではなく民間の自発的更新であるジェント
リフィケーションが地方の行政担当者から歓迎されたことを紹介した。またハ
ウジングとの関連からみると,シューラーほか(Schuleretc;1992),レイ
(Ley;1994)は,ジェントリフィケーションが価値ある建築様式をもった歴
史的建造環境の住宅地域などに散在的に発現することを明らかにした。

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都市改良派が歴史的建造環境の保護を

成田(1978b)は,ジェントリフィケーションの主体をなしているのは「同
一市内での住み替え」であり,「都市への回帰(郊外から中心市への移住)」も
次第に増加しているとジェントリファイアーについて述べている。スミス
(Smith;1987)は,ジェントリフィケーションの行為主体であるジェントリ
ファイアーと彼らの住宅に関して研究を行い,ヤッピーと呼ばれる若年の高学
歴ホワイトカラーである新中間階層(新中間階級)の居住地選好と住宅の更新
の関係について分析した。ジェントリフィケーションの主体であるジェントリ
ファイアーのなかでとくに重要な役割を果たすのが,これらの新中間階層であ
る(Ley;1986)。ハムネット(Hamnett;1992)により,レイなどの新中間
階層の重要性を主張する立場と対時するとされたスミス(Smith;1992)も,
階級概念の重要性は認めており,新中間階級の概念はジェントリフィケーショ
ンのキーワードであることに疑いの余地はない。レイ(Ley;1981,1994)は,
新中間階層の政治的立場からジェントリフィケーションを説明しようと試み,
また廣松(1992)もトロントを事例として,都市改良派が歴史的建造環境の保
護を背景とした新中間階層の政治的行動をこの観点からアプローチした。

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このような新中間階層の居住地選好として,インナーシティの歴史的建造物
をはじめとして伝統的生活様式に,「疑似的なブルジョワの習慣に時間と金を
つぎ込み,工場労働者などの労働者階級との差異化をはかる」(Zukin;1987)
ことに加えて,建築様式の歴史的な価値だけでなく,現代的なアメニティを重
視することが指摘された。

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新中間階級からのアプローチ

また,由井(1986)はマンション開発にともなう入居者によって格上げ現象が確認できた
ことからジェントリフィケーションの可能性を提示した。

ジェントリフィケーションの理論に関して,藤塚(1994)は制度論(Williams;
1976,1978),段階モデル,地代格差論(Smith;1987a),新中間階級,
マージナル・ジェントリファイヤーの5つに関して理論的探求を試みているが,
この整理の仕方には方法論,研究対象が混在している。ジェントリフィケー
ションについてのアプローチの分類としては,形態学的アプローチ,制度論
(政治学的アプローチ),地代格差論(経済学的アプローチ)に大きく分けられ,
新中間階級からのアプローチは経済学的にも制度的アプローチにも関連する。
レイ(Ley;1983)やスミス・ウィリアムズ(SmithandWilliams;1986)
はジェントリフィケーションを建造環境や不平等発展(unevendevelopment)
への投資という資本の循環として経済理論的考察を試みている。

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しかしながら,経済学的アプローチのみでは現象の主体であるジェントリ
ファイアーヘの分析が十分ではなく,幅広い分析が要求される。そもそもジェ
ントリフィケーション自体が都市内部地域における住宅更新と密接に関係して
いることから,一部の階級論争のみを扱った研究を除けば,ジェントリフィ
ケーション研究そのものが都市内部地域におけるハウジング研究ということが
できる。以下では,とくにハウジング研究との関連から,新たにジェントリ
フィケーションにかかわる問題を居住者であるジェントリファイアーの居住特
性の関連から整理することを試みる。

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京都市の西陣地区を事例として

しかし近年では,行政(公的部門)
によるインナーシティの再開発は,民間資本による住宅改良とほぼ同様のプロ
セスをたどっており,ジェントリフィケーションは開発主体にとらわれず,現
象面から定義されている(Johnston;1994)。

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この格上げ現象についてショート(Short;1978)は,従来の「侵入と漸移
モデル」では住宅の老朽化にともない居住者の質的低下がみられるが,住宅の
改修,更新により侵入と漸移の方向が逆転し,社会経済的に高い若年世帯の流
入により生ずる地域の格上げ現象とした。しかしながら,このような格上げ現
象は,公的機関による再開発やスラム・クリアランスでは前住者を優先して再
開発地域に居住させるため顕著ではない(FordandSmith;1981)。

わが国では山口(1980),小森(1978),成田(1978b,1981a,1987),マ
メン(1992)などにより欧米の諸都市におけるジェントリフィケーションにつ
いて紹介がなされている。山口(1980;1984)はゲール(Gale;1979)によ
るワシントンの研究,キブリュースキー(Cybriewsky;1978)によるフィラ
デルフィアの研究などの成果を紹介し,ベリー(1980)によるインナーシティ
問題の展望からアメリカ合衆国におけるジェントリフィケーションについて
「世帯数の増加にもかかわらず,それに見合う住宅供給が円滑に行われなかっ
たために生じた現象」であるとした。

わが国の都市研究では,藤塚(1990)が京都市都心部の人口変化や建物更新
の状況を調べ,続いて藤塚(1992)は京都市の西陣地区を事例として新規に建
設されたマンション居住者の社会的属性が在来住民と異なり,多数の専門技術
職従事者の存在からジェントリフィケーションの徴候を提示した。

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ジェントリフィケーションのプロセスを

4.ジェントリフィケーションに関する研究
都市内部地域の1970年代前半以降における新しい動きとして,ジェントリ
フィケーションがあげられる。レイ(Ley;1981,1988)やマーハー(Maher;1974,1978)などは施設の老朽化と頽廃化の結合したインナーシティでは格
下げ(downgrading)よりもむしろ格上げ(upgrading)が見られることを
明らかにした。スミス・ウィリアムズ(SmithandWilliams.eds.;1986)は
ジェントリフィケーションのプロセスを住宅市場だけでなく,より大きな経
済・社会への反応として捉えようとしたが,スミス(Smith;1982)はジェン
トリフィケーションの過程が従来の住宅連鎖モデル(housingchainmodel)
である「ろ過(filtering)」過程と逆方向のプロセスであり,侵入と漸移の方
向に逆転が生じているとした。

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ジェントリフィケーションの定義について,藤塚(1994)は研究の視角や現
象に接する人々によりさまざまな文脈で把握されているとして明確な定義は困
難であるとし,居住空間の改善と定義した。しかし,スミス(Smith;1979)
は,ジェントリフィケーションに最も早く言及したとされるグラス(Glass;
1964)による記述から,ジェントリフィケーションの定義を労働者階級の居住
区から中間階級への居住者階層の上方変動であるとし,元来の労働者階級の立
ち退きの進行により地区全体の社会的性格が変容する現象としている。

この定義に山口(1980)は,ハムネット(Hamnett;1973)による「民間資本によ
る家屋の修復や保存事業による中流階級の住宅地への格上げ(filteringup)
の過程をさす」と行為主体を加えている。

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家の画一化

たしかに家の画一化はある面では技術の進歩の結果でもあるわけです。冷暖房・除湿技術の進歩が、風通しのためにプライバシーの保護を犠牲にせざるを得なかった造りを、プライバシーも保護され除湿・冷暖房も可能な家にしたように、家の造りを規定する要因から自然環境条件が取り除かれた結果でもあります。しかし大量生産、コストダウンなどの経済的要請が画一化を押し進めたという側面や、住まいそのものに対する考え方によることの方が多いように思われます。家を自分の好みにあわせて造り変えるというのはそれが持ち家ならば可能ですが賃貸住宅ではそうもいかないという意見もあります。しかし住まいによる自己表現は何も建物全体でしかできないものではありません。部屋の中だけでも可能です。したがって壁紙や棚、飾りつけの制限はできるだけ少なくしたいものです。その意味では最近の公団住宅にあらわれた、内装や間仕切が居住者の自由になる「フリープラン賃貸住宅」は注目に値する形態かもしれません。ところで、不動産に関するあらゆる情報は、←こちらから収集できます。
・庭をなくした家
最近の家、なかでも都市部やその周辺などでみかける建て売り住宅では、庭がないか、あっても極めて狭いものが多いように思えます。こうした地域では地価がかなり高いので庶民の手に入る価格では仕方がないのかもしれませんが、そうした家が壁をくっつけるように密集しているのをみると、せっかくの一戸建ても集合住宅と差がないように思えてなりません。こうした庭空間を欠いた最近の住宅づくりは家の非個性化をさらに押し進めるように思えます。農家の場合も都市の住宅でも、庭は交流の場として重要な意義をもっているだけでなく、住む人の趣味がよく表される空間でもあります。また庭と家を繋ぐ縁側の空間も、非日常的な場面では特別の使い方をするように、多様な機能をもつ空間でした。

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個性をなくした現代の家づくり

ではこうした考え方から我が国の住まいの状況を考えてみるとどうでしょうか。

・住む人も自分の家が分からなくなるような、同じ顔の家、家、家
大都市周辺のベッドタウンでは、ちょっと出歩いてみるだけで建て売り住宅の建設場面に出会います。そしてそのような団地やニュータウンで似たようなデザインの家が建ち並んだ風景に違和感を感じたことのある人は多いのではないでしょうか。何もそこまで同じにしなくても、と思いたくなるほどその形が同じである建て売り住宅はめずらしくありません。集合住宅にしてもすべての棟が同じような高さと住戸数、外観で立ち並んでいます。また、個性というのをもう少し大きな集団で考えてみた場合も同じです。かってはその土地々々で特徴のある家並みが並んでいたものです。地震列島日本では建物を建てる時、必ず地震を見越した設計をする。各種不動産知識は、←こちらをご覧ください。筆者も大学受験で新幹線の車窓から初めて豊橋の町を眺めたとき、自分の住んでいた土地と全く違った、黒い瓦が密集して黒ずんだ風景に新鮮な驚きを感じたことを覚えています。家は屋外の自然環境から住む人を守るものですから、その土地の気候風土によって家の構造は違ってくるのは当然です。したがって、南北に広がる国土をもつ我が国でも、かっては地方ごとに特有な家並みがみられ、それが旅情をそそりもしたし、逆に離れた土地に住む者が故郷でそうした風景に出会ったときには「帰ってきた」という実感をうんだりもしたのです。しかし今はどうでしょうか。日本中どこへいっても同じ造りの家が目に入ります。

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個性化の方法はなんでもよい

このように、さまざまなものを通して家を自分らしく個性的にすることは、住む人を精神的に安定させることがわかっています。では、どういったことをすればよいのでしょうか。個性の表現といってもさまざまあります。この点については何でもよいようです。これまで述べた例からもわかるように、写真やポスターのようなものから、屋根の色や家全体の造りまで、とくにこれでなくてはならないといったものはないようです。学生の場合などは、自分らしくするために、部屋に好きな音楽を流したり、あえて部屋を乱雑にするといったことまであります。重要なことは、それがあくまでその人の趣味や価値観、性格を表すものや個人の生活に深く関わってきたものであるということです。業者は上手に使い分けましょう。その他の不動産関連情報は←こちらからどうぞ。他人に自分の偉さを誇示するようにいくら立派な門構えをつくっても、それが住んでいる人の趣味とまったくかけ離れているような場合には、何の意味もないばかりか、かえってマイナスの効果さえ生みかねないでしょう。

家具の固定方法について、改めて点検してみましょう。確かに引っ越しはそのためには絶好の機会ではありますが、時には家族の歴史・前の家での生活が染み付いた家具をもって行くのも大切でしょう。一つの古時計が語ってくれる家族の思い出とそれがもたらしてくれるやすらぎの意義はストレスに満ちた転居直後の時期にこそはっきりするのかもしれません。

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転勤にともなう引っ越し

転居前の生活との連続性を確保するように居住空間を自分らしく装飾することですが、これとは逆に、新しい環境でそこを新たに自分に合わせて個性化することもまた、適応に有意義であることが知られています。すなわち、空間の個性化によって新たな人間関係を形成するというものです。その例は高齢者が転居先で居住環境を自己表現に利用することで、転居先の住民に好ましいイメージを与え、新たな人間関係を形成し適応する可能性について論じた議論の中にみることができます。このように居住環境や住まいの個性化は転居前の生活すなわち自己との連続性の維持という点で、また、逆に新たな人間関係の形成という点で、転居に伴うストレスを軽減することがわかります。転居は現代人にとってその生涯で何度か経験するものですし、とくにサラリーマン家庭では父親の転勤にともなう引っ越しは避けられない問題です。また、東京のようなさまざまな都市問題をかかえる地域に住む住民にとっては住みよい郊外への引っ越しは願望でもあります。また、私たちの社会の高齢化を考えるときに重要なのは高齢者にとっての転居の影響です。転居やリフォームを機に家具について再考してみるのも良いかもしれません。壁面収納を選択肢に入れてみましょう。←こちらのサイトからは、不動産関連情報をたくさん見られます。
子供が親の世話と仕事を両立させようとすればどうしても親が現在の居住地から離れざるをえなくなることがでてきます。ところがこの高齢になってからの転居が現在大きな問題となっている老年性の痴呆の悪化をもたらすという報告をしばしば耳にします。この場合リーバーマンのいうように、高齢者に転居が悪影響を及ぼすのはその多くが高齢者の望んだ転居ではないということにあるのかもしれません。


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引っ越しによるストレス

一個の古時計が引っ越しによるストレスを防ぐこともある引っ越しはしばしばそれまでの人間関係が途切れることを含みます。そのため、従来の心理学では転居の問題はこうした方面から考えられてきました。しかし、引っ越しはそれまで住んでいた家や土地から離れることですから、心理的に強く結びついた場所から離れることでもあります。その意味では自己同一性に深く結びついた事物(家や家具)との関係が途切れることでもあります。その結果、転居がストレスを生むことにもなります。ある調査では引っ越しの多い人ほど自分の心理的健康に自信がなく、活力も低く評価していることが示されています。こうした転居ストレスに対して、気に入った家具や自分との関連の深い物が転居先に到着することがストレス軽減効果をもつことが外国の調査で報告されています。同じように、以前の生活との連続性を家具などの物で維持することの適応的意義もいわれています。

あるいは災害によって仮設住宅などに住まざるをえなくなったような場合にもそうした家具などが重要な役割を果たすようです。京都大学の研究によれば、雲仙普賢岳の被災者で仮設住宅に入っている人のウち、新しい環境への適応がよかった人は、被災前から使っていた家財を持ち込んでいる人たちでした。これなども、自分の生活史を刻み込んだ家財で家を飾ることの積極的な意義を示すものといえるのではないでしょうか。私たちは引っ越しを機会に古い物を捨てることがよくあります。←こちらのサイトからたくさんの間取りや構造などを見られます。

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